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へなちょこ司法書士のあーでもない、こーでもない日記


by hawoo
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『半島を出よ』

完読。
たぶんそんな言葉は無いけど、もしあったならそんな気分。
同時進行で何冊か読んでたせいか最初のあたりでは遅遅としてページは進まなかった。
相変わらずの緻密な説明や描写が煩わしくさえ感じた。
でも物語が動き出してから後はそのまま一気に。

1番鮮明に感じたのは“対比”。
“排除”という恐怖に支配されている極限の状態で生きてきた人間とそうじゃない人間。
そうじゃない人間は、もしそうなった時に理解できずにいる。
そして巧みな人物設定。
それによってこれから起こることはすべて必然なんだと思える様になる。

本文の中に、以前テレビのインタビューで“どうしてこういった物語を書いたのか”という問いに対しての作者の答えがそのまま文章になってた。
 『恐怖を自覚するのと、気づかないふりをしてごまかすのでは対処の仕方が違う。
  恐怖とその対象を認めなければ、恐怖に対応できないのだ。』 

ちょっと体力消耗したけど、間違いなく面白かった。
でも1番好きなトコは福岡を占領した遠征軍(つまりは北の人たち)の上官が雑誌のグラビアに書かれた『爆乳』って言葉の意味が理解できずに混乱して苦悩するとこかな。
by hawoo | 2005-08-15 16:45 | 読書感想文